当事務所の理念と活動方針

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前園 進也

理念

私は、重度知的障害のある子どもを持つ父親であり、弁護士でもあります。日々の生活の中で、そして法律の専門家として、重度知的障害を持つ人が社会で生きていくことの難しさを痛感しています。

彼らが「人並みに」暮らせる社会。それは、健常者と同じように、親元から自立し、支援を受けながらも自分の力で生活を築いていける社会です。しかし、現状では、収入の少なさ、そして自立のための住居、例えば障害者支援施設やグループホームなどの供給不足が大きな障壁となっています。多くの知的障害者が、成人後も長年にわたり親と同居せざるを得ない状況は、まさにこの現状を反映しています。

我が子の将来を案じる親として、そして弁護士として、この状況を改善したい。そう強く願い、弁護士として次のような理念を掲げました。

「重度知的障害者が人並みに暮らせる社会」の実現

これが、私の目指す未来であり、このサイトでは、その実現に向けた情報を発信し、そして、私自身の活動を通じて、少しでも貢献できればと考えています。

長期目標

2050年、「重度知的障害者の自立を支える法的仕組み」の構築

私の理念である「重度知的障害者が人並みに暮らせる社会」を実現するため、私は2050年までに「重度知的障害者の自立を支える法的仕組み」を構築するという長期的目標を掲げています。

2050年というのは、弁護士として現役で活動できる期間を想定し、設定した具体的な目標年です。残りの弁護士人生をかけて、この長期的目標を実現し、重度知的障害を持つ人々が安心して暮らせる社会を築きたいと考えています。

具体的には、障害者グループホームなどの障害福祉サービス事業者が長期的に安定して経営できるための仕組みづくり、障害者の親が担ってきた役割を障害者の支援者に委譲するための仕組みづくりなどなど、これらが複雑に絡み合った課題に対して、多角的な視点から法的仕組みの構築を目指します。

法律の専門家として、そして重度知的障害を持つ子の親として、私は、2050年という未来を見据え、一歩ずつ着実に歩みを進めていきます。

具体的な活動方針

私は、「重度知的障害者が人並みに暮らせる社会」の実現という理念を掲げ、2050年までに「重度知的障害者の自立を支える法的仕組み」を構築することを、弁護士としての長期目標としています。

そのためには、これまで親御さんが担ってきた役割を、専門家や支援者など、より多くの人の手によって支えられる仕組みへと変えていかなければなりません。そして同時に、障害者グループホームをはじめとする障害福祉サービス事業者が長期的に安定した経営を続けられる基盤を確立することが不可欠です。

だからこそ私は、知的障害のあるお子さんを持つ親御さんと、障害福祉サービス事業者の方々に焦点を絞り、法的サービスを提供しています。

これは、単なる専門分野の限定ではありません。私自身が重度知的障害のある子どもを持つ親として、日々の生活の中で直面する課題や不安を、身をもって理解しているからです。同時に、弁護士として、社会の構造的な問題点や法的な課題を分析し、解決策を探る視点も持ち合わせています。

この両方の視点を併せ持つことで、私は、親御さんにはお子さんの「親亡き後」のプラン作成とその実現(遺言・信託契約書の作成、成年後見制度の利用、障害福祉サービスの活用などを含む)をサポートし、将来設計に関わる具体的な法的アドバイスを親身になって提供します。

それとともに、事業者の方々には持続可能な経営のためのコンプライアンス体制の構築、利用者の方々とのトラブル対応、そして行政処分などから事業者を守るための法的サポートを多角的に提供しています。

重度知的障害のあるお子さんを持つ親御さんと共に、お子さんの将来を考えていくこと、そして障害福祉サービス事業者の方々と共に、より良いサービス提供のあり方を模索していくことが、私の目指す道であり、心から情熱を注げる分野だと考えています。

おわりに

私自身、重度知的障害のある子どもを持つ親として、この活動に強い想いを持って取り組んでいます。重度知的障害のある方々が安心して暮らせる社会の実現は、当たり前ですが私一人だけの力では成し遂げられません。同じ想いを持つ皆様との協力が必要です。

同じような悩みを持つ親御さん、そして、知的障害のある方々を支える事業者の方々にとって、少しでもお力になれれば幸いです。もちろん、当事務所の理念や活動方針に共感いただいた方であれば、メディア関係者、研究者、学生の方など、どなたでもお気軽にご連絡ください。一緒にこの問題について考え、より良い未来を創造していきましょう。

当事務所が提供している具体的なサービスの詳細は「取扱分野と料金」のページをご覧ください。

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