南相馬市の障害者支援施設、虐待事件で行政処分 - 3か月間の新規受け入れ停止
前園 進也
サニープレイス法律事務所
厚生労働省の『令和4年度 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果報告書』によると、障害者虐待が認められた施設・事業所で特に件数が多い上位5サービスは以下のとおりです。
これらの5サービスに共通するのは、複数人の障害者を、それよりも少ない人数の支援員でサポートする集団支援という形態です。なぜ集団支援で虐待が発生しやすいのでしょうか?
これまでの研究成果から、以下のような要因が考えられます。
障害者虐待は深刻な問題です。特に集団支援を行うサービスにおいては、上記のような構造的な要因が虐待発生のリスクを高めていることを理解する必要があります。
もちろん、全ての施設で問題が起きているわけではありません。しかし、このような構造的な問題があるということは、私たちも知っておく必要があります。
この点について、虐待があった事業所でも虐待をしなかった職員がいるのだから、加害者が悪いのではないかと考える読者もいると思います。
確かに、そのとおりです。しかし、虐待をした職員をクビにしても、構造的な問題が残っている限り、再発を防止できません。再発防止において優先的に取り組むべきなのは構造的な問題の解決ではないでしょうか?